捨てることの力
真夜中に思いたって部屋の模様替えを始めたら朝までかかっちゃった、という実体験のある人もいれば、そんな話を聞いたことのある人も多いと思います。
突然そんなことをなぜ始めてしまうかというと、「気分転換」、突き詰めると、何かに行き詰まっているから気分を変えたかったということなのではないでしょうか。
毎日同じことの繰り返しに飽きたから、人間関係がうまくいかないから、仕事で失敗をしてしまったから…等々、行き詰まりの理由は人それぞれだと思いますが、暮らしている環境を変えるというのは、そんな気分から一時的でも開放されるのにぴったりの行動。特に、「捨てる」という行為がもたらしてくれる気持ちの良さはダントツです。
でもなぜ、一度はお金を払ってまで自分のものにしたものを捨てることが気持ちいいんでしょう?長い目で見れば、収支はマイナスです。
責任からの解放感
もしかしたら、自分のものにしたからこそ、手放すことが快感になるのではないでしょうか。
物を所有する=その物に責任を持つとも言える。なのに、時間が経つとその存在を忘れてしまうことが多い。でも、心のどこかに、何か忘れてしまっているものがあるという罪悪感だけは残っているのではないでしょうか。
それに改めて向き合い、その上でお別れする(捨てる)。責任から解放されてリセットされるという感覚がカタルシスに繋がるのだと思うのです。
だからこそ、捨てることになるものには感謝の気持ちを持ってお別れしないといけない。
そして、捨てた後。出来るだけ物を持たないミニマリストの方向に行く人もいれば、減らして余裕が出来た分、また新しく物を増やす人もいる。
ミニマリスト礼賛の昨今ですが、定期的に思いたって物を捨てるという行為にも意味があると思います。
「持ち物を整理しようかな」とふと思い立ったとき。それは、新しい自分になるためのきっかけとして、大切なタイミングと言えるのではないでしょうか。
長い人生、自分はずっと同じではない。変わりたいけどきっかけがないというときに、気軽にできる持ち物の整理は良い手段だと思うのです。
例えば、少し先に連休があれば、そこで一日スケジュールに予定を入れてみてもいいのでは。
私はと言えば、ミニマリストを目指しながらも物が増えてしまうジレンマと日々戦っています。
いつか捨てるものが全くなくなり、人生のリセットもいらなくなる悟りの境地にたどり着ける日を目指して…。
憧れは稲垣えみ子さんのライフスタイルです。
物を所有したいという煩悩は人間だけなのでしょうか。
無の境地