キャリアって?(その3)
3回連続になった、「キャリア」についてです。
hachiwarecatkun.hatenablog.com
「計画された偶発性」理論によると、綿密に将来のキャリアプランを練るより先に、今やっていることに興味を持ち、アンテナに引っかかる何かを逃さずにキャッチできるようにオープンマインドで過ごすことが大切ということになります。
偶発的にやってくる、アンテナに引っかかる「何か」は、自分のコントロールを超越した何かが与えてくれたもののようにも思えますが、私には、それなりに一生懸命生きてきた過去の自分が自分に届けてくれたもののように思えます。
ということは、未来の自分に何かを届けることもできるということ。
未来の自分にも偶発的なギフトを届けられるよう、毎日を大切に過ごしたくなってきます。
とはいえ、今やっている仕事が自分に向いていないんじゃないか…と悶々としている人も多い、いやもしかしたらそんな人の方が多いのが実情ではないかと思います。
私も今やっていることが天職!とか、すごく自分に合っている!とか思えている訳ではありません。でも、自分が仕事をしていく上でのブラしてはいけないポイントは把握しています。
何をしていた時が楽しかった?
キャリアコンサルティングをしていると頻繁に耳にするのが、「自分に何が向いているのか分からない」という言葉だそうです。確かに、分かっている人の方がレアケースかもしれません。
そんなときは、「今までやってきた社会活動で、何をしているときが楽しかったか教えて下さい」と質問します。例えば、バイトのときに皆で目標を達成するために頑張ったときにやりがいを感じた、とか、お客さんにありがとうと言ってもらうのが嬉しかった、とか。社会活動とまでいかなくても、何でもいいような気がします。
そして、なぜそれが楽しかったのかを考える。目標を達成したから楽しかったのか、皆で頑張ったことが楽しかったのか、感謝されるのが楽しかったのか、色々あると思いますが、楽しかったということは、向いていないということではないはずなので、まずそこを覚えておく。
次に、「自分にできること」を考えてみる。できるレベルはともかく、ある程度やっていた仕事ならとりあえず「できる」としてみる。
楽しい・楽しくない、できる・できないを縦横軸上に置いてみると、以下のような表ができます。
すごくざっくりですが。例えば「マーケティングができる」×「人にものを教えるのが楽しい」であれば①になり、この分野で知識を広げて後進を育てることを目標にするのは無理がなさそうです。方や「マーケティングができる」×「数値管理は楽しくない」であれば③になり、定量的な市場調査の結果だけでマーケティング施策の全てを決定するタイプの会社だと、物足りなさを感じることになりそうです。
①が今の自分が最大のパフォーマンスを発揮できる仕事、②は好きな気持ちはあってもスキルや経験が足りない、③はこなすことはできるけど気持ちは入らない、④は…その仕事をやり続けることは精神衛生上よくないかもしれません。
①と②は自分のキャリアの指針になり得えるし、④は避けた方がよいと思いますが、問題は③です。
今楽しくなかったとしても、心の持ちようで楽しさを感じることもできると思います。でも、ある程度頑張っても楽しくならないのであれば、別のキャリアを目指すという選択肢を視野に入れた方がいい、と思います。
職業人としてのキャリアは、思っているほど長くないと思うから。その一方で、楽しくない仕事をこなす日々を続けていると、知らない内に気持ちがすさんでくるから。です。
以前の上司に、「自分はマーケティングはプロだけど、好きじゃない」と言っている方がいました。本当は人材を育てる仕事がしたいそうです。その後会社を転々とされ、その度にポジションが上がり、今は某大手企業のマーケティング部門の役員をされていますが、メディアなどで見かけると以前よりすさんだ雰囲気を感じてしまいます。
生き方は様々だし、一概には言えませんが、今まで以上に未来が見通せない時代、キャリア形成はもっと「楽しさ」を柱にして考えてもいいのではないでしょうか。
たのしさ一番!