キャリアって?(その2)
前回は、キャリアの考え方について書きました。
仕事のキャリアはライフキャリアの一部でしかなく、「ライフキャリア」を意識することが、新たな自分を発見するきっかけになるかもしれません。
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その上で、仕事のキャリアに焦点をあてて考えてみると。
自分がどのようにキャリアを創っていくか、若い時から綿密に計画を立ててその通りの道を順調に歩んできた…という人はあまりいないのではないでしょうか。
長い職業人生、いきあたりばったりだったり、思いもかけない出来事が起こったり、希望通りの道を進めなかったり、様々な山谷があった(ある)と思います。
同時に、自分の歩いてきた道を振り返ったとき、「あの時はつらい思いをしたけど、あの出来事があったから今の自分があるんだな」と思えることもいくつかあるのではないでしょうか。
それは仕事に限らないかもしれません。すごく好きだった恋人に裏切られて、別れたときは本当につらかったけど、時が経ったらあんな不誠実な人とは早く別れておいてよかったんだなと思えたり、その経験があったからこそ次には本当に誠実な人と出会うことができたり。
「計画された偶発性」って?
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ博士の提唱した、計画された偶発性、Planned Happen Stanceという理論があります。「キャリアの殆どは、予想しなかった偶然によって形成されていく」という考え方です。
私は前述のライフ・キャリア・レインボーと共にこの理論も大好きです。本当にそうだな、と心から共感できるから。
この考え方では、綿密に将来のキャリアプランを作って準備するよりも、偶然にやってくるチャンスを引き寄せるために積極的な行動を起こすことが大切だと説いています。
確かに、未来に何が起こるかは以前よりもっと見通せない世の中。先を見通して準備していても、それがゼロベースに戻ってしまうこともありえます。
未来に何が起こるか分からないということをものすごくポジティブに言えば、可能性は限りないということになります。今の時代、自分の可能性に自分で制限をつけてしまうと、気づいていないチャンスも制限されてしまう。だったら今いるところで自分の力を最大に発揮する努力をしつつ、興味の幅を広げてみて、ちょっとしたことでもいいから新しいことをやってみる。趣味の領域では結構やっていることかもしれませんが、同じように試してみる。
本当にちょっとしたことでいいし、何をしていいか分からないなら特に焦る必要もありません。そのかわり、毎日をオープンマインドで過ごしてみる。そうするとふとした時に自分のアンテナに引っかかる出来事が起こります。占い師ではないので断言はできないけど、自分の経験や周りの人達を見ていると、予言してもいい位にその時が来るのです。
大事なのは、その時を見逃さずにつかまえること。私はこれには興味がない、こんなことをしても意味がない、と決めつけずに、いつも好奇心を持つようにして日々を過ごしているとそのタイミングに出会えるはずです。
自分の将来のキャリアのことを考えると、ハードに勉強を始めたりしがちですが、突然そこまでしなくても、心持ち一つだけなので負担はほぼ無し。どちらかというと気持ちが軽く、楽になる効果の方が高いと思います。そうやって過ごしていて、その時が来たら気軽に受け入れるなり、興味が深まったらがっつり自分のものにすべく勉強するなり、その時の心の声に従えばいいのだと思います。
私も道半ばなりに、自分のキャリアの転機になる思いもかけない出来事がいくつかありました。すごく好きな仕事だったけど、上司の誤解(私目線からすると)により全く別の仕事をしないといけなくなり、悲しみと怒りでいっぱいだったけれど、新しい仕事は前の仕事よりも全体を俯瞰してみることが出来ることに気づいて驚いたり。好きすぎると固執してしまって周りが見えなくなるんだな…とやっと気づくことが出来ました。あの経験をしておいてよかったな、と今は思えるし、昔の自分と同じタイプの人が仕事で悩んでいたら、共感をもってアドバイスをすることもできます。
計画された偶発性は分かったけど、今やってる仕事がどうしても自分に合っていない気がする。でも自分の適性もよく分からないし、オープンマインドになるにしても視点をどこに定めていいか分からない。という場合は…。
次回に続きます。
計画された偶発性により我が家にいらっしゃいました