のんびりしっかりキャリアとライフ

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ジェンダーギャップ

SGDsという言葉の認知率は、この1年ほどで大きく上がったのではないでしょうか。

「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)というこの言葉は、地球上の誰一人取り残さないことを誓って制定された17の目標とそこから派生した169のターゲット。各国の達成率が数値で報告されるそうです。

日本は2020年で166か国中17位。取り組みが順調に進んでいる項目もあれば、かなり悪い状況が続いている項目もあります。

よく報道されているのが、ジェンダー平等についての達成進捗が悪いこと。

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出典:unsplush

無意識でやってしまった失敗

1990年代。

新卒3人(女性2名、男性1名)で早く来て机拭きをする仕事がありました。1人で15分あれば済むくらいだったのでローテーションを組んで回していたら、ある日「女が2人もいるのに何やってるんだ」と言われたことがあります。今だったら息を呑む発言ですね。 

取引先の男性バイヤーに「次はスカート履いてきてね」と言われたり。

30代になると、おばさん扱いが始まりました。若い女性はこうなんでしょ?あ、もう若くないかというノリツッコミみたいな台詞は何十回言われたか。数年後には完全に若い女性枠から外れた人としてその台詞は言われなくなるのですが。その代わり、意見を言うと怖いおばさんというレッテルが貼られました。同じポジションで同じ発言をしても男性は怖いおじさんではないのに。

こんな経緯を経て、当時の働く女性達の中には何かが刷り込まれ、諦めて受け入れるか怒って本当に怖い人になるかのどちらかになっていく人が多いような気がしました。でもそれも多分7〜8年前までの話。

 今はそこまでのことはないはずです。まだガラスの天井はあるけど、防弾ガラスみたいだった昔と比べるとかなり薄くなったし、社会の目が厳しくなり、会社の中でセクハラ講習が行われるため、不用意な発言には皆注意している。

育休や時短勤務を強いられるのは圧倒的に女性という現実もあるし、全く平等になってはいないけど、日本も変わってはきている。ただ、そのスピードがゆっくり過ぎて他の国に遅れを取り過ぎているからジェンダーギャップ指数があんなことになるのでしょう。

 

とはいえ、ジェンダーギャップが大きいだけに、「男性らしさを強いられることが辛い」という場面もよくあるということも、もっと周知された方がいいように思います。

今だに時々思い出す、私が20代の時に後輩男性にしてしまったセクハラ発言。

当時「ユーザーが欲しいものを、直接意見をきいて商品化する」というのが流行っていて、他業界でいくつもヒット商品が出ていました。

こういう取り組みをしたことのある方は経験があると思いますが、ただ欲しいと言われたものを作っただけだとまず売れません。意見を聞く前にちゃんと企業側でストーリーを組み立てておかないと、誰の想いもこもっていない中途半端な製品が出来上がってしまうのです。

今ならそれが分かりますが、当時戦略立案など考えられなかった私は、「60代以上の女性が欲しい製品を作るために7人の60代女性に話を聞きに行く」というタスクを受け、営業担当者と2人で話を聞いてきました。モデレーター無し。

で、年配の人のニーズは若い私には分からないから教えてくださーいみたいなスタンスだった私は皆さまにこてんぱんに叱咤されて帰ってくることになったのです。

会社に戻った時、後輩男性(イケメン)から、大変な目に会いましたね!と爽やかに言われイラッとした私は、「ほんとだよ、おばさん相手だから◯◯君が行けばよかったんだよ!」と言ってしまいました。

その場で何も感じなかったのですが、その日の夜、唐突に、もしこれが男女逆だったらすごいセクハラ発言では…?とやっと思い至ったのです。

20年以上前はセクハラの概念はあっても社会は今より鈍感でした。でも、自分が無意識のセクハラ発言をしてしまったという軽いショックは今でも覚えています。

翌日謝ったら、◯◯君は「気にしないで下さい」と言ってくれました。でも、嫌な気持ちになっていたらしいことは伝わってきました。

 

ジェンダー平等に必要な視点は

女性はこうであるべき、という固定観念に基づいた発言はしてはいけないということは広く理解されていますが、同様に男性はこうでないといけない、このくらい言われても男は気にするな、という枠の中にはめることもしてはいけないのですよね。枠にはめられて苦しんでいる男性も少なからずいて、しかもその苦しみが理解してもらえないことはかなり多いのではないでしょうか。

男は弱みを見せるべきではない。辛い時は男だから頑張って乗り越えないといけない。共働きでも男性の方が稼がないといけない。

そんな固定観念をすぐに無くすことは難しいとしても、「そういう考え方は一面的ですよ」と周知させる取り組みをしてもいいように思います。それが当の男性達を楽にするだけでなく、女性も楽にすることにもつながるのではないでしょうか。セクハラ講習の内容はどうしても男性→女性だけと受けとられて終わってしまいがちなので、女性→男性、男性→男性、女性→女性、という視点もしっかり盛り込むのがよりよい姿のような気がします。本当はジェンダーの定義は男女だけに留まらないのだとは思いますが。

 

日本が遅れまくっているジェンダーギャップの差をもっと早いペースで埋めるためには、女性だけでなく、全てのジェンダーに関する固定観念を同時に緩めることが必要なのではないかと思うのです。

 

男子は右がさくら耳

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