内向的な私
私はかなり内向的な人間です。人見知りだし、経験を重ねて、社交性が求められる場では何とかそのように振る舞うことはできるようになったものの、その後の疲労感はその後丸一日続きます。そしてそんな自分に昔から劣等感を抱いてきました。たまにいる、人とすぐ友達になれるようなタイプの快活な人はとっても眩しく見えます。
でも、私のようなタイプは珍しくはないと思います。こちらからるすと100%外向的に見えるような人でも、自分を内向的と言ってたりするので、あくまで自己評価とは思いますが。
内向的人間上等
年を重ねてよかったことはいくつもありますが、ある程度人とのコミュニケーションのスキルを身に着けたこと(最低限)に加え、自分の内向性を仕方ないと受け入れられるようになったことです。
若いときは、明るくて社交的で人気のある友達を心底羨ましく思っていましたが、今は「人って色々だよね」ということが実感できているので、人は人、自分は自分、と引いた目で見ることができるようになりました。
それでも、内向的よりは外向的な方がよいと思っていたのですが、そうではない考え方に数年前に出会いました。
TED Talk : 「内向的な人が秘めている力」 スーザン・ケイン
この方は著書も出していて、全米ベストセラーになったそうです。外向的な人ばかりの国に見えるアメリカでこういったタイトルの本が注目を集めるというのは不思議に思えますが、アメリカでも三分の一の人は内向型と言われているそうです。
内向的な人は独自の能力があり、自分が大切に感じる目標を持ったときには、外向的な人にはない大きな力を発揮することができる。
でも、今の社会は外向的であることをよしとしていて、学校やオフィスの環境もその基準で作られていることが殆どなので、内向的な人が過大な刺激(内向的な人は外向的な人より外界からの刺激に高反応だそうです)を受けずに過ごすことは難しい。
内向型の人は自分が何に情熱を持てるのかを考えることが大切だし、学校やオフィスは常に顔を突き合わせるだけではなく、一人になって考えることもできる環境を提供すべき。そうすることで、内向型も、外向型も、よりストレスなく自分の能力を高めることができる。
前にも横にも人のいる昔ながらのオフィスのデスクのレイアウトは内向的な私にとってストレスです。もっと正確に言うなら、前の会社ではパーティションが前と横にあったので自分の作業に没頭できたのですが、今の会社ではパーティションがなく、今まで自分がどれだけあの衝立に助けられていたかを実感中です。周りの人はストレスなく働けているようなので、自分の気質によるところが大きいのだと思います(ちなみに前と横の人たちとうまくいっていない訳ではありません)。
本書を読んで、内向的であることが欠点だったり、外向的になることを目標に無理をしたりする必要はないことが分かり、すごく安心しました。曲解かもしれませんが、今の自分を認めて、自分が人生で何を大切にしているかを理解するだけでいい。自分が大切にしてることのために必要なら、内向的な人はすごいパワーを発揮できる。スーパー内向的だったガンジーのように。というメッセージを受け取った気がします。
とはいえ、自分が人生で大切にしていることは何なのか?は簡単に見つけられないと思います。私も見つけられたような、られていないような…。
それこそ、内向型人間が得意とする「掘り下げて考える」能力で、自分の心とじっくり対話してみることで見つかるのかもしれません。もちろんすぐに答えが出るような簡単なことではないので、心のどこかで意識し続けてみる、くらいの感じでのんびりと。
この方はかなり内向型です